「そろそろ従業員への承継を考えています。どのように進めたらよいでしょうか?」という質問をよくお受けします。
私が今までの実務経験から得た考えとして、一つの参考事例をお伝えします。
このブログ記事を書いた人:税理士 本田光
目次
従業員承継のステップは大きく分けて3つ
承継を検討している従業員は、現場をまとめ、他の従業員からの信頼も厚いです。
こういったケースで事業承継を進める場合、以下の3段階で進める方法があります。
第一段階 ご自身の気持ちを固める
- 後継者候補を決める
- 社長交代後の自分自身のライフプランを考える
会社との関わり方(会長として残る、一定期間は後継者と一緒に業務にあたる、など)
生活面(引退後の収入、プライベートでやりたいことなど)
3. 社長交代時期をおおよそ決める(1年後、3年後、創立35周年、など)
4. 配偶者及びご家族と話し合う
5. 後継者と話し合う時期を決める
6. 譲るにあたっての希望や守ってもらいたいことを箇条書きにする。
第二段階 後継者候補と話し合う
- 後継者候補に承継についての話をする
次の社長になる意志を聞く
その際には、候補者の話を丁寧に聴き、言葉だけをとらないように心がける。
第三段階 一緒に取り組む
- 事業承継計画を立てる。
株式の所有について(法人の場合)
事業用不動産について
経営理念の明文化
社長の仕事の棚卸
SWOT分析
経営課題の抽出及び対策 など
⇒計画を実行していく
まとめ
まずは、ご自身の気持ちを多方面から整理し固め、今まで公私ともにサポートいただいたご家族の方とも話し合ってください。
一度、承継に向けてすすめていくと、後戻りすることはまたさらに時間がかかり、すすめにくくなります。
ご家族にも承継についてご理解いただき、必要な際にはご協力いただければ、社長自身も助けられることがあるかと思います。
その後、次は後継者候補である従業員と話し合い、引き受けてくれるのであれば、承継に向け一緒に具体的な計画を立てていきましょう。
この段階でも、社長ご自身がリードするというよりも、多少時間がかかっても、「後継者の育成」と考え、一緒に計画を立てることに意義があります。
ひとつひとつ段階を踏みながら進めていくことで、後継者の方の会社経営に関する理解も深まり、承継のあとに生じる課題にも解決策が見つけやすくなり、会社の事業継続、繁栄にもつながります。
今まで会社経営に走られてきた社長と、その意向を汲みながらも将来に向けてさらなる挑戦をしていく後継者の両者が納得される「事業承継」になることを願っております。
弊所では、従業員承継のご支援もしております。お気軽にお問い合わせください。